エルサレムの街が見渡せる丘の一つにオリーブ山があります。 そこからはエルサレム全景と言ってもおかしくないほど綺麗な 光景が眼下に広がって見ることができます。
その丘から最初に目に飛び込んでくるのが、黄金色に輝く岩のドームです。 今回はこの岩のドームを中心に紹介していきたいと思います。
岩のドームは神殿の丘と呼ばれる、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の 三大一神教の最大の聖地に建てられています。
この岩のドームの建物は現在イスラム教の記念堂となっていますが、マホメットが ここから天へ昇り7つの天界を巡ったと言い伝えられています。
その伝承から、メッカ、メディナに次ぐイスラム教の聖地として、 691年にウマイヤ王朝5代カリフ・アブド・エル・マリクによって建てられて以来、 重要な場所となっています。
ドーム内で世界の基礎が創られた「エベンシュティヤ(基礎石)」と呼ばれる大きな岩を 保護するかのように建てられていますが、民族の父アブラハムが「長子イサクを捧げよ」 と神様に命じられ、その信仰を試されたモリヤの丘だとされている場所です。
その神殿付近をイエスや弟子たちも歩いたことでしょう。その足跡については新約聖書の4福音書に見ることができます。
2つのコインを賽銭箱へ投げ入れた貧しい婦人が登場する新約聖書の有名な話もここにまつわる物語です。 現在、岩のドーム内に入ることはできませんが、建物の側近くに立つだけでいにしえの先人たちの足音が今にも聞こえてきそうです。
エルサレムの名前は、数えるだけで70以上あると言われています。シオニスト、シオニズムの語源ともなった「シオン」もそのうちの一つです。
もう一つ有名なのが「黄金のエルサレム」です。これは決して岩のドームの屋根が黄金色しているから付けられたのではありません。 今でこそ金色に輝くドームとなっていますが、40数年前までは全く輝くことのない鉛色のドームでした。夕刻、 石灰岩のエルサレムストーンで覆われた町並みがピンク色に染まる時間帯はまさに黄金の輝きのようです。
イスラエルで最も有名な作曲家ナオミ・シェメルは「黄金のエルサレム」という曲の中で、この街をこのように表現しました。
オリーブ山に立ってエルサレムの全景を見る度に、この「黄金のエルサレム」の歌のメロディーが響いてきます。 ぜひこの丘の上に立って、皆さんの心の中に古の琴の音色をこだまさせてみてはいかがでしょうか。